ひぐらしのなく頃に

一枚目の「出題編」の方終わりました。「読了」とか書いている人が多いけど、作者の人は「これはゲームです」と言っているので「クリアした」と書いた方がいいのかな。まあいいや。
感想としては、とても面白かったです(小学生の読書感想文みたいなコメントだ)。値段分以上に十分楽しみました。これを100円で買ってた人は物凄くお買い得な買い物したなあ。
まあストーリーの素晴らしさだとかキャラの魅力だとか作者の才能がとか僕が語ってもキモくなるだけですからそういうのは書きませんが、それ以外で思ったことなどを色々と。

なぜ今プレイしようと思ったのか?

まあ去年の夏以降ブームとなり各地で面白いと評判になっていたのは当然知っていたのですが、、実際に手を出してみようという気にはならなかった。そんな中、某歴史学の権威*1がもうすぐ出版される自著そっちのけ(!)でひぐらし怖いひぐらし怖い書いているのを見て、これはやってみようかな、と。とりあえずオフィシャルサイトに置いてある体験版をプレイしてみて、これは面白いすぐ続きが読みたいと通販したのです。

感想みたいなの色々

まんじゅう怖いひぐらしはもっと怖い

「夜中に部屋を暗くしてプレイしてたが怖くて電気つけた」等各所で評判で、「窓から急にゾンビ犬がバーン」「突然画面に幽霊の顔が出てきてキャー」など僕の非常に苦手なタイプのゲームだったらどうしよう怖くて泣いちゃうかもしれないとちょっと心配していましたが、そういう怖さではなく、残酷的な描写・人間の裏の顔・閉鎖された非日常的な状況といった面での怖さだったのでちょっと安心(一箇所だけ前者のもありましたが)。「世にも奇妙な物語」的と言うか。

読んでるときの感想

これどうなっちゃうんだろうとドキドキしながら読み進めるのと同時に、ああなんか「絶望の世界*2」を初めて読んだ時の感覚に似てるなあ、と何か懐かしさのようなものを感じていました。

笑い声

この物語の恐怖を煽り、話をより面白くしていると思ったのが、要所要所で出てくる「笑い声」の描写です。このキャラクターたちが「あははははははははははははははは」とが「げげげげげげげげげげげ」とか笑うんだからそりゃあ怖いぜ! みたいな。

「お疲れさま会」

本編の内容以外で特に面白いと思ったものが、各編終了後に見ることができる「お疲れさま会」なるもの。これは、あたかも本編は台本に沿って演じられたドラマのようなもので、その俳優であるところの登場キャラがドラマの打ち上げみたいな感じで本編について語り合うというもの。本編では無残に殺された人が「また殺されちゃったよトホホ」みたいな感じで話に参加しているのです。
で、そこでどんな話がされているのかというと、本編の謎や真犯人なんかを推理しあっているのです。本来これは作品をプレイしたファンがやることなのですが、それを作者が先にやってしまっている! 普通の推理小説とかで、話の途中でいきなり作者が出てきて「いやー犯人はこいつなんじゃないかなー」とか言わないでしょう。この辺にちょっとびっくりしたのと同時に、同人的で非常に面白いな、と。
この「お疲れさま会」の目的は以下の二つであると考えます。

  1. 悲惨な本編を読んで隠滅な気分になった人に「ああこれはフィクションの話だったんだ」と気持ちの転換を促す
  2. 「これは単なるホラー物語ではなく、真相を推理して楽しむゲームなんですよ」ということをプレイヤーに教える

特に下のほうは、作者の人も各所で強調していることなので、こっちの目的が強いんじゃないかな、と。

推理は……

上で書いたようにこのゲームの醍醐味はプレイした後に自分で色々推理をすることで、日記等に熱心に自説を展開している人もいっぱいいますが、僕はその辺が全然得意ではないので、たとえ推理したとしても具にも付かないへっぽこなものしか出てこないでしょう。なので推理はしません。
一つだけ気になっているのは、舞台となっている年代が「昭和58年」となっていること。じゃあ昭和58年じゃないと成立しない話が出てくるのかというと、特にそういう要素は無い。では何のために昭和58年が舞台となっているのかというと、これは「携帯電話が無い」という点が重要なのではないかと思われます。実際本編では電話を使う場面がけっこう出てくる。これが携帯電話だったら成立しないトリックとかがあるんじゃないかなあ、と漠然と思っていますが面倒なので検証とかはしません。

各「○○○編」について

「○○○編」の違いについては、「ひぐらしのなく頃に」キーワードページの説明

暇潰し編》を除く前3編は、昭和58年6月初頭から始まる。同じ背景設定、同じキャラクターでありながら、全くと言っていいほど違う展開を見せる。

の通りなのだけど、やってみて思ったのは「これ本来作者は選択式のノベルゲームにしたかったんじゃないかなー」というもの。選択肢によって話が分岐するマルチエンディングのゲームにしたかったんだけど、何かの理由によってそれが難しくなったためこのような別々の3つのゲームにしたような感じがしました。

絵について

各所で「絵はアレだけど」等ひどい言われようをしていますが、特に僕は気にならなかったです。普通にかぁいい。
あと、絵について色々言われていただけに、どんな絵が出てくるんだとわくわくしていたのですが、絵として出てくるのは基本的に立ち絵と背景画のみで、イベント絵はゼロでした。まあ同人作品ということでそれは別に全然Aかまわないのですが、これに要所要所で強烈なイベント絵が出てきたら、さらに怖く面白くなるだろうなあ、と思いました。コンシューマー版ではその辺どうなるんでしょうか。

お気に入りキャラ

個人的お気に入りキャラは断然「魅音」。ボクキャラを超える萌え一人称があったとは! そういうわけで好きな話も当然「綿流し編」です。

まとめ

と色々書きましたが、結局何が言いたいのかというと「とても面白かった」ということです。最初に書いたことと同じですが。
とりあえず公式サイト等のあらすじを見て、それに興味が沸いたら体験版をやってみて、それが面白かったら本編を買ってみると良いのではないかと思います。体験版が面白かった人なら、本編を買って損するということは決して無いでしょう。
公式サイト
http://rena07.sakura.ne.jp/