「電波男」読みました

電波男

電波男

面白かったです(こればっか)。と言うか僕は基本的に自分が面白いと思ったものしか紹介したりしないので、ここに書く感想は全部「面白かった」なんですよね。純粋に面白い、純粋におすすめですよってものだけ紹介するようにしています。なのでまあ何かの参考にしていただければ幸いです。
で話し戻って、この本を読んでまず僕が思ったのが、たったワンテーマでよくこれだけの分量の本が書けるなあというものです。しかもどこ読んでもちゃんと面白い。これは凄い。作者の才能でしょう。
内容については色々思うところもありますが、それらについては特に語りません。まあ「恋愛資本主義」やその辺については「よく言ってくれた!」って感が大きいです。
その他色々と。

読もうと思ったきっかけ

発売当時から各所で評判で、どうせ面白いのだろうからまあその内読もうってな感じでなんとなくスルーしていたのですが、なんかこの本は先日ちょっと書いた例の書籍化する「キャリア女子とオタクの濃厚恋愛mixi日記*1」にも噛み付いているらしいという情報をどこかで目にしまして、おおそれは実際この目で読んで見なきゃならんな、と。
ちなみにその箇所ですが、たしかにそれらしいのがありました↓

オタクを売った男が、勝ち組になれる。それが恋愛資本主義なのだ。
いや男だけじゃない。女も今、「オタクと交際して、そのレポートを金にしよう」と考え出している。実際、会員制の出会いサイトで、自分とオタクとの恋愛をリアルタイムに報告したり、いろんな人から情報を聞きまわっている女ライターがいるのだ。俺、見たもん。名前とかバラすと絶対に訴えるタイプだから書かないけどさ、反吐が出そうだよ!
(P211 5-9行目)

明言はされていないが、たしかに例のmixi日記のことを指しているように読める。mixiが「会員制の出会いサイト」なのかどうかってのは微妙だが、その人の取り方次第でしょう。日記の作者がライターだと言うのは、多分その通りっぽいです。
あと情報を出しておくと、mixiの日記がスタートとしたのは昨年12月上旬、書籍化はmixi内で発表されたのは4月。電波男の発売は3月12日なので、執筆時点では少なくとも書籍化の情報をmixi上で知ることはできなかったはずです。あとmixi日記の作者は書籍化について「オファーが来て、迷った結果出版することにした」と書いてあります。
まあしかし、こればかりは電波男の著者本田さんに聞いてみないことには、何とも言えませんがね……


ちなみにこのmixi日記と電波男の主張は、特に対立するものではないと僕は思っているのですね。と言うのも、電波男内では、

エルメスをオタクの世界に引きずり込んでこそ、オタクとしての勝利なのであり、今までのオタクとしての人生を肯定することができるのだ。
(P212 8-9行目)

とあるように、「オタクが三次元で恋愛するなら相手をオタク側に引き入れろ!」と主張されているのですね。一方mixi日記の内容はと言うと、今までオタクとの恋愛とは無縁の状態だったキャリア女性を男のオタク的な性格によって魅かれさせたといった感じの内容で、電波男の主張をまんま体現しているしていると言ってもいいかもしれないのです。

この本のジャンルは?

この本をジャンル分けするなら、はたしてどんなジャンルが適切なのか? まあ簡単に言うならオタクによるエッセイではあるが、社会学研究本でもあるし、思想書でもあるし、哲学でもあるし、啓蒙書でもある。なんて呼ぶのが一番適切かなあ。

直接は関係ないのですが

この電波男の表紙についてる帯*2をwebとかで見かける度に思うことがあるのです。それはこの

m9(^Д^)プギャー!!

の顔文字について。ちょっと「ぷぎゃー」って口に出して言ってみて下さい。この言葉がどんな意味を持っているのか。はっきり言って全く意味不明ですよ。だけどもこの言葉(もう言葉と言っていいものかどうかも怪しい)と真ん中の笑ってるんだが怒ってるんだかよく分からん顔、そして左のこちらを指差しているらしい記号、これらが合わさることによって「どうやら俺はこいつに小馬鹿にされているらしい」ということが伝わってくるのです。これには毎回感心させられるのです。どうでもいいことですが。